また、日本と同様に過剰漁獲によって水産資源が減少したノルウェーでは、1990年初頭に漁業者ではなく漁船ごとに漁獲枠を割り当てるITQの変形、IVQ(Individual Vessel Quota)方式を導入。2012年の漁獲量は1960年代の約1.6倍、漁獲金額は約1.8倍に増えた。しかも、1996年に1万隻以上あった漁船は6800隻、漁業者も1万2000人(ともに2010年)と1985年の半分以下になっている。IVQの導入よって漁業の効率が上がり、1人当たりの漁獲量も収入も上昇したのである。 「2007年の日本とノルウェーのデータを比べると、漁船1隻あたりの漁獲高は日本が63トンでノルウェーは320トン、漁業者ひとり当たりでは27トンと169トンです。日本もノルウェーも漁業就労者の人数は減っていますが、日本は半数以上が60歳を超えているのに対し、ノルウェーは60歳以下が85%、39歳以下