2024年4月7日のブックマーク (2件)

  • 「オンナ寅さん北京をゆく!? 新境地の魅力」綿矢りさ×藤井省三『パッキパキ北京』対談(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース

    魯迅の「阿Q正伝」とはなんだったのか藤井 先ほど綿矢さんは中国に関心を持たれたのは比較的最近だとおっしゃっていましたが、実は十五年近く前に読売新聞の書評で拙訳の魯迅『故郷/阿Q正伝』を取り上げてくださっています。その書評でこの短編集に共通するのは貧しい友や病気の父を助けられなかったという後悔が滲み出ていることだと書かれていましたよね。今回の『パッキパキ北京』にも魯迅が出てきますが、綿矢さんは魯迅のどこに惹かれたのでしょうか? 綿矢 貧困や衰弱していく人間への厳しさ、でしょうか。人を見る目が魯迅はとても厳しいと思います。冷たくはねのけるんじゃなく、どうしようもない世の中の荒波に削られていく人間の零落、没落を正確に描く強靭さがある。それが個人的にはとても刺さりました。「故郷」や「孔乙己」、あるいは「祝福」といった短編を読んでいると、久しぶりに再会した友人が落ちぶれて、救いようもないぐらいに疲れ

    「オンナ寅さん北京をゆく!? 新境地の魅力」綿矢りさ×藤井省三『パッキパキ北京』対談(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース
    tokyocat
    tokyocat 2024/04/07
    “貧困や衰弱していく人間への厳しさ、でしょうか。人を見る目が魯迅はとても厳しいと思います。冷たくはねのけるんじゃなく、どうしようもない世の中の荒波に削られていく人間の零落、没落を正確に描く強靭さがある
  • 「オンナ寅さん北京をゆく!? 新境地の魅力」綿矢りさ×藤井省三『パッキパキ北京』対談(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース

    女性版フーテンの寅さんを書く藤井 先ほど綿矢さんの作品は『蹴りたい背中』で止まっていたと言いましたが、今回の対談のためにいくつか拝読いたしました。『オーラの発表会』、『意識のリボン』、『嫌いなら呼ぶなよ』、それから『生(き)のみ生(き)のままで』。それは豊かな綿矢さんの作品群のほんの一部にすぎませんが、やはり『蹴りたい背中』と繫がっているような気がしました。主人公は常にクラスや職場、あるいは家庭に所属してはいるものの、その所属している状態にどこか辛さを感じている。『オーラの発表会』の海松子(みるこ)は生き辛さではないものの、独特の緊張感を抱えていますよね。 そういう意味では帰属意識というのが綿矢さんのこれまでの一つのテーマだったと言ってもいいのではないか。ですが、今回のヒロイン菖蒲さんはそれとは全く逆で、何かに帰属しているという意識が希薄な人物です。もともと銀座のクラブでホステスとして働き

    「オンナ寅さん北京をゆく!? 新境地の魅力」綿矢りさ×藤井省三『パッキパキ北京』対談(集英社オンライン) - Yahoo!ニュース
    tokyocat
    tokyocat 2024/04/07
    “フーテンの寅さんが好きなんですが、寅次郎の女性版みたいな人を書いてみたいと思っていた”