多くの人が夜遅くまで頑張って働いている日本の生産性が、なぜそこまで低いのか? 識者からは「ダラダラ残業の非効率性」や「サービス産業の低賃金」などの指摘が寄せられているが、通勤時間の長さも、そうしたマイナス要因に拍車をかけているのは間違いないことだろう。満員電車に1時間揺られて会社に来る人と、クルマや自転車で15分かからない人を比べてみれば、余力の違いは明らかだからだ。 そして東京への通勤時間の長さは、子育てにも負の影響を及ぼしている。『日経ビジネス』2015年3月9日号の特集記事「日本を救う子宝企業」は、在京の大企業35社への調査で明らかになった現状の厳しさを、こんな見出しでまとめてみせた。「東京では1人しか産めない!」 日経ビジネスの調査に回答した31社のうち詳細なデータ提供のあった4社の「子宝率」は、1.14~1.35。いずれも日本を代表する大企業で、模範的な育児支援制度を備えていなが