彼は悩んでいた。仕事がうまく行かず、同期が活躍するのを横目で見ながら、強く嫉妬していた。 「なぜ仕事がうまくいかないのか」 「なぜ私を認めないのか」 そういった負の感情が彼の中を巡る。頭ではわかっている。何も実績をあげていないからだ。 だが、彼はこうも思う。 良い仕事さえあれば、たちまち実績を上げてみせるのに……。 「私は間違いなくできる人間であるはずだ。」彼はそう信じて疑わなかったが、現実はそれとは正反対の事実を突きつける。 彼はサークルのコネクションを使い、大学卒業後にある有名企業にさしたる苦労もなく入社した。内定先を友達に言うたびに、それを誇らしく感じたものだ。 だが、新人研修を終えて配属された部署は彼の希望とは全く異なるものだった。 「何かの間違いでは」 人事にその配属について掛け合ったが、もちろん取り合ってもらえるわけもなく、彼は初めての挫折感を味わった。 そのような状況では当然
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