刑務所の処遇に対する抗議,正義の実現,政治的要求の表明などのために行われる食事拒否は,囚人の唯一の武器である。通常,食事拒否者には死ぬつもりはないが,なかには要求が受け入れられない場合,死を覚悟している者もいる。これは,医師にとっては防ぎうる死を前にした困難な状況である。強制給食は多くの国でよく行われていたもので,グアンタナモ刑務所(キューバ)では今でも採用されている。 バーミンガム市民病院(英バーミンガム)のDavid Nicholl博士と世界中の262人の著名な医師が,グアンタナモ刑務所での強制給食を2006年のLancet(2006; 367: 811)で非難した。グアンタナモ病院での強制給食は,米国医師会(AMA)も調印している世界医師会(WMA)の宣言やジュネーブ条約で禁止されているにもかかわらず,その後も続けられている。http://www.medical-tribune.co