音楽でも、何となくその時々に 聴きたいものがあって、 無意識のダイナミクスが それを欲しているのであろう。 無意識を耕すきっかけとなる もの。 それを私たちは「文化」 と呼ぶ。 寒風の街を歩いていて 大学時代のことを思い出した。 赤門を出て、郵便局の横を 入ったところにあった 森川町食堂。「ニュートン」 が必ず置いてあったアルルカン。 セイロンカレーを食べながら議論 したルオー。 あの頃のロマンティック・アイロニーは 今でも身体に染みついていて、 ふとした時に私を支えてくれる。 東京工業大学すずかけ台キャンパスにて、 博士最終試験。 関根崇泰が、一生懸命 トークをしているのを見ながら 胸が熱くなった。 慶応の経済を出てやってきた 時には理屈っぽい男で、 しばらくして、身体感覚という ものは無から幾何学的原理に よってつくり出されるのだと 言い出した。 手が手であるのは、アプリオリに 自明の