来年4月に予定されていた消費税率引き上げが延期される見通しになりました。そこで、アベノミクスの推移を財務省「法人企業統計」で確認します。*1 www.bloomberg.co.jp 経常利益は高水準にはあるものの、ピークアウトした感があります。一方、設備投資は増加基調にはあるものの、経常利益に比べると伸びの鈍さが目立ちます。 次に、人件費計と比べた経常利益と利益剰余金(いわゆる内部留保)を見てみます(追記:グラフを四半期単位から年度単位に差し替え)。*2 1997年の金融危機から続く「人件費抑制→利益増加→内部留保(ストック)増加」が、アベノミクスによって加速しています。 アベノミクスは企業利益は増やしたものの、相当部分が企業部門の金融資産積み上げに回ってしまい、設備投資増や給与増→家計消費増の好循環を始めることはできなかったことになります。 これはアベノミクスの失敗というよりも、1990