「なぜ、この時期に」。韓国政府が日本の8県の水産物の輸入禁止を発表した。2020年夏季五輪の決定目前という微妙な時期でもあり、国際基準以上の厳しい検査を続けてきた都道府県の担当者や生産者には戸惑いが広がった。 「韓国はもともと、千葉県産の水産物に検査証明書を要求していて、それを守って輸出してきたのに」 同県水産課の担当者はため息をつく。千葉県はイワシやサンマなどの冷凍品に証明書を付けて輸出してきた。「水産物の全面禁止といわれても、加工品も含まれるのか」と情報収集を進める。 水産物などに含まれる放射性物質の基準値は、食品の国際規格を決めるコーデックス委員会の基準を踏まえ、国が決める。原発事故直後は魚などの上限は1キロ当たり500ベクレルだったが、より安全にしようと平成24年4月に100ベクレル以下に厳格化された。 都道府県などは国のガイドラインに基づき、放射性セシウムの検出頻度が高い食品を重