「一生懸命、最後の最後まで(住民避難の)放送をしていたから、未希に何かがあってもいいじゃないかと思う。お金じゃないんだけどね」 東日本大震災の3月11日、津波が迫るなかで命をかけて住民避難を呼びかけ亡くなった宮城県南三陸町役場危機管理課の遠藤未希さん(当時24)の遺族が、危険な公務中の災害だったとして申請していた「特殊公務災害」が認められなかったことに、祖母がこう言って悔しがった。 「大津波来ます。高台へ避難してください」放送続けた南三陸町役場・遠藤未希さん 「大津波が予想されますので急いで高台へ避難してください」 未希さんは防災対策庁舎の防災放送で繰り返し住民に呼びかけ、最後は津波にのまれてしまった。庁舎はむき出しの鉄骨のまま残されており、今でも町の人は「天使の声」と称える。祖母は「これがなぜ当てはまらないのか、情けない」という。 大津波に襲われた庁舎では、未希さんを含め33人が公務