石原伸晃環境相は9日、「平成32年に洋上風力発電の能力を100万キロワット以上にしたい」と述べ、現在の発電能力の40倍以上にするという新たな導入目標を明らかにした。長崎県・五島列島の椛島(かばしま)沖にある国内初の浮体式洋上風力発電の試験機を視察した後、記者団に語った。 洋上は陸上に比べて強い風が安定して吹くことから風力発電に適しているが、日本には、海外で主流の海底に土台を置いて固定する「着床式」に適した遠浅の場所が少なく普及が遅れている。 環境省は、普及の切り札として、土台が不要で、海上に風車を浮かせる浮体式の開発に力を入れており、昨年から椛島沖で風車の直径22メートル、発電能力100キロワットの試験機を運転。25年度から椛島沖で直径80メートル、発電能力2千キロワットの実証機をつくり、実用化を目指す。 石原環境相は船上から試験機を視察。離島など地域で自立したエネルギーとして十分可能性が