A/Bテストについて二つの観点から触れておきたい。一つは「A/Bテストに仮説検定は向かない」という考え方は不適切だということ。もう一つは「良い」方を選ぶことを繰り返すうちに、全体の整合性がとれなくなってしまうことが起こりうるということである。 黒須教授 2016年7月12日 はじめに A/Bテストが誰によって提唱され、いつ頃から盛んになったのか詳しくは知らないのだが、ともかく今ではもう一般的な手法としてまかり通っている(編集部注:ニールセン博士のAlertboxコラムその1、その2)。小さなことでも評価して確認しようという姿勢はとても結構なことだし、もともとユーザビリティ評価に関心の高かったWeb関係者においては、A/Bテストを実施することは自然な流れでもあったのだろう。特にランディングページの印象、言い換えれば、ユーザビリティだけでなく見栄えも含めた利用実感や印象の全体は、Webの場合に