制定から20年余りが過ぎ、基本法が目的を果たせず、時代の変化に対応できていないことが鮮明になっている。農水省は課題を洗い出すための議論を2022年秋に始めており、24年の通常国会に改正案を提出する方向だ。 壁に当たっているのが自給率の向上だ。農水省は自給率を高める計画をつくり続けてきた。だが現実は4割弱で低迷しており、上向く気配はいっこうにない。主要国では異例の低水準だ。 小麦や大豆、飼料用トウモロコシなど食生活に不可欠な穀物の大半を輸入に頼る状態を改善しなかったことが一因だ。そこにウクライナ危機による価格高騰が追い打ちをかけ、家計や畜産業を圧迫している。今後も同様のことが起きかねず、量まで確保できなくなれば国の存立を脅かす。 基本法は自給率を高める具体的な方策を示しておらず、水田偏重の農政を変えられなかった。コメ余りを解消しようと、田んぼに水を入れずに小麦や大豆などをつくった農家に補助金
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