昨日アインシュタインのことを話して、 思い出したので。 アインシュタインの孤独 人類が歴史上耳にしたさまざまな音楽の中でも、楽聖ベートーベンによる交響曲第7番はもっとも「生命の躍動」(エラン・ヴィタール)に満ちた曲の一つだろう。とりわけ、第4楽章の熱狂的なフィナーレは、聴く者に心が沸き立つような強い印象を残す。 ワグナーはこのシンフォニーを「神格化された舞踏」と絶賛した。古代ギリシャにおいて、すぐれた人間が「神」の領域へと祭り上げられるという伝統を踏まえた「神格化」という言葉。ベートーベンの生み出した名曲の魅力を伝えて余りある。 生命というものの本質は活気に満ち溢れた動きの中にある。そして、生命の活気は私たちをどこへ導くかわからない。 小林秀雄はかつて、川端康成に向かって「生きている人間などというものは、どうも仕方のない代物だな。」と看破した。「何を考えているのやら、何を言い出すのやら、仕