文筆家 大平一枝 第四話:心の伝え方 情報と気持ちの伝え方あれこれ 仕事で出会ったある女性の牧師が、「本当に困っている人には、メールでなく会いに行く」と言っていた。それが車で片道2時間でも、いとわないと。 顔を見て初めてわかることがたくさんある。彼女がどれだけ力をなくしているか。どんな状態で暮らしているのか。ちゃんと每日食事をしているか……etc。 またつい最近、別の知人が「こみいった話は会って話すのがいちばん」と言っていて、深く共感した。感情の伝達手段として使うには、メールはむずかし過ぎる。文章の長短や善し悪し、読み手の読解力によって誤解が生まれやすいし、誰もが細やかなニュアンスを行間から読み取れるわけではない。やみくもにデジタルを敵視するつもりはないが、情報を伝えるのに便利なものが、気持ちを伝えるのにも便利とは限らないのだと肝に銘じたい。 携帯番号しか知らない友だちのこと 15年来の知