前編では、「ほぼ日刊イトイ新聞」を運営する東京糸井重里事務所の取締役CFO、篠田真貴子氏に、ほぼ日でのプロジェクト運営と同社「らしさ」を浸透させるための秘訣について聞きました。引き続き、採用を含めた人材育成の取り組みと、専門性の見つけ方を伺います。 暗黙知か明文化か 会社のビジョンの共有方法 神野:ここまで、ほぼ日の運営の仕方やプロジェクトの生まれ方、糸井さんの語ることが源となってほぼ日らしさができていることなどを伺いました。今年1月、糸井さんは「夢に手足を。」というコピーと短い文章を掲載されましたよね。糸井事務所が「どういうことをしていく会社なのか?」を言葉にしたと。こういった、声明のような発信も多いんでしょうか? 篠田:あの言葉自体は、もともとはある日の「今日のダーリン」に書かれたものなんですね。それに対してものすごい反響があって、あらためて翌日に糸井が続きを書いて掲載し、現在のような