月への切符、250億ドル。 そんな目もくらむ高額チケットをアメリカ国民に売り込んだ一大キャンペーンとは、一体どんなものだったのか。 今回取り上げるデイヴィッド・ミーアマン・スコット、リチャード・ジュレック著『月をマーケティングする』(日経BP社)は、そんなマーケティング目線でアポロ計画の全貌をひもとく一冊です。 マーケティングって、「言葉はみんな知ってるけど内容がいまいち理解できてないもの」ランキングのトップなんじゃないか。そんな気さえしてしまうほど個人的に苦手な分野ですが、ここまで壮大なスケールの作戦を驚くほど緻密に解説するこの本にかかれば、マーケティングにワクワクしてしまうこと間違いなしです。 「人類がまだ火星に行っていないのは、 科学の敗北ではなくマーケティングの失敗なのだ。」 そんな刺激的な言葉が帯に躍る本書は、アポロ計画という科学的偉業を、史上最大にして最重要なマーケティング作戦
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