夕食休憩明けの再開後、永瀬拓矢王座は香を成って手を渡す。このシリーズの特徴は、こういう手渡しが多いこと。挑戦者の藤井聡太竜王・名人は本局最長のほぼ1時間を使って、飛車の頭に歩を打ち、飛車の直射を消してから勝負に出た。 銀をぶつけて銀交換し、桂を中央に跳ね出したのだ。香から金を守っていた桂がいなくなり、渡した銀で飛車金両取りの割り打ちもある。捨て身の反撃だ。 だが永瀬はまたも踏み込んだ。銀で割り打ちをして、56手目、25分の考慮で△6六飛と、飛車を角と交換した。そして金を取り、先手の守りの金の上からごつく金を打ったのだ。控室で歓声があがる。この踏み込みも将棋AIは最有力と上げていたが、駒を渡すので怖いだろうと言っていた。だが現実にこの局面になってみると先手が困っている。 端攻めに続いて、永瀬はすごい踏み込みをした。事前の宣言どおり、人間を捨てているのか、恐怖心をなくすことができたのか。 藤井
![負けを覚悟した藤井聡太はガックリと…その後の逆転劇を棋士は誰でも経験している「血が逆流し、全身から汗が吹き出す」 | 観る将棋、読む将棋 | 文春オンライン](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/2aec3586dccf0dd787b74a7fea1639de2b9105b8/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fbunshun.jp%2Fmwimgs%2F3%2Fe%2F1200wm%2Fimg_3edee066c82c767154300768f4bc9aba151929.jpg)