アフガニスタンの「女性の人権」をどう考えるか タリバンだけが「悪」なのか、複雑な歴史を総合的に考える必要性 清末愛砂 室蘭工業大学大学院教授(憲法学、家族法、アフガニスタンのジェンダーに基づく暴力) イスラム主義勢力タリバンが暫定政権を発足させたアフガニスタン。旧政権時代、女性に対して就労や就学の制限など差別的な施策を行ってきたタリバンが、再び女性の人権を抑圧するのではないかという懸念が広がっている。この問題について、長年アフガニスタンの女性や子供の状況を調査・研究し、現地のフェミニズム団体との交流も深い清末愛砂さんに寄稿してもらった。 【編集部より】 清末さんの原稿は「ターリバーン」「イスラーム」「カーブル」と表記されていますが、検索などの際の利便性を考慮して、筆者にご了解をいただき、現在の朝日新聞の用語表記「タリバン」「イスラム」「カブール」で掲載します。 国際社会の「懸念」への違和感