「ビデオゲームの歴史は比較的短いが、ビデオゲーム研究の歴史はそれよりもはるかに短い。」イェスパー・ユールは本書のなかでそう認めている。「ビデオゲーム研究には、短いながらも激動の歴史がある。〔…〕この本は、なにかひとつの研究分野の伝統に安易に立脚するものではないが、かといって、無から生まれたものでもない。」 「ハーフリアル 虚実のあいだのビデオゲーム」は、ビデオゲームの研究書である“Half-Real : Video Games between Real Rules and Fictional Worlds”の邦訳として出版された。本書の目的は、ビデオゲーム研究者としての立場から、ビデオゲームの構造を論じ、さまざまな問いを解きほぐすことにある。 研究書とはいえ、「Half-Life」をもじった愛嬌のあるタイトルや、平明な言葉づかいなどを見るに、ふつうの読者にも手に取って読まれることをかなり意