内容組継ぎ本とはステープラ(ホチキス)もノリも糸もセロテープも使わずに本をこしらえる方法です。 いまの製本でもっとも多い無線綴じではノドが十分に開かないため、コピーでは真ん中が真っ黒になってしまい、コピー機に無理に押し付けると本の背を痛めてしまいます。開きのよい糸かがりは辞書など以外ではあまり使われず衰退気味なのが残念です。製本会社は近年、製本ノリの改良による広開本の開発に力を注いでいますが、背をミーリングで削り、ノリで固めるという方法自体はそのままです。 背中を固めて立てる西洋式に対して、寝かせて保存する和装本は背を糸で綴じ、和紙の力にも助けられて軽くしなやかで長持ちするものでした。その東洋型と西洋型の歴史的経験の蓄積と融合から編み出したのが組継ぎ本です。 組継ぎ本は、素材の紙だけで構成する“用の美”であり、ノドにかかる荷重を折り紙と切り紙による分散で支えるものです。今回は、東西の製本の