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ブックマーク / www.ebook2forum.com (12)

  • 「電書1兆円」は正夢? (4):本はコモディティか

    これまでの出版界では、の売り方を真剣に考える習慣がなかった。どうにもならないと考えられてきたからだ。米国の5年間で出版社が学んだことは、は映像やゲームなどと伍してやれる強いメディアであること、その強さは人ととの出会い(体験)によってのみ生まれること、そして読者に目を向けることでに最適化したマーケティングが可能になることだった。 ガジェットではなく、好きが市場を動かす 米国のE-Book市場が5年間で30億ドル(約3,000億円))を超えるまでになりながら、それが印刷市場に影響を与えることなく、追加分として出版社にプレゼントされたという事実は、その反対のことを言い続けてきた業界とメディア関係者の気恥ずかしさのせいか、表立って分析対象となっていない、おかげで日ではまだ事実としてさえ受け入れられていない。30億ドルもの市場は、どこから、どうやって生まれたのか、暫定的な回答を得た米英

  • 「iPadでオライリーの本は読まない」謎 – EBook2.0 Magazine

    動物の表紙の情報技術書で知られるオライリー社は、DRMなしで多様なフォーマットのE-Bookを直販し、複数のダウンロードを認めることで、誰がどんな形で読んでいるかを把握しているが、同社のジョン・ウィルカート氏は最近、そうした読書習慣を示す興味深いデータ(相対比)を公開した。それによれば、PDFとコンピュータがなお最も重要なフォーマットとデバイスであることを示している。驚きは、iPadが主要なデバイスとしてはほとんど使われることなく、また補助的なものとしても低いことだ。 オライリーは以前にも同様なデータを公開したことがあり(誌2012年3月14日号)、傾向には大きな変化はない。オライリーのの読者は、ほとんどすべての情報技術者と学生なので、コンピュータに貼りついている時間が長い技術系の人々が、技術書を読む場合のパターンを示していると考えてよいと思われる。これはなぜタブレット読書が学生に不人

  • JMangaサービス停止の波紋 – EBook2.0 Magazine

    「日のマンガ出版社が連携して海外展開を目指」したJ.Manga.comは3月14日、コンテンツの販売(3月13日)、閲覧(5月30日)の全てを停止すると発表した(→サイトの告知)。集英社、小学館、講談社など国内出版社39社からなるデジタルコミック協議会の協賛の下、凸版印刷の関連会社であるビットウェイが2011年8月に設立したこの事業は、わずか1年半で潰え去った。米国を中心とした世界のファンに「電子書籍の悪夢」と「クールジャパンの寒い現実」という結果を残して。これも想定の範囲内だったのだろうか。 クール・ジャパンに冷や水 残余のストア・クレジットはアマゾンのギフトカードで払い戻し。5月30日をもって購入済のコンテンツは失われるがダウンロードは許されない。印刷版すら手許に残らない。「誠に遺憾に存じます。」とお知らせは述べている。 こういう事業は、多数の協賛を得て、鳴り物入りで喧伝された事業ほ

  • 米国式ブック・マーケティング「十戒」

    欧米人は何事につけルールを考え、それを「十戒」にまとめて共有することを好む。Wild Fire Marketingのロブ・イーガー氏 (Rob Eager) は最近、Digital Book Worldに「ブック・マーケティング十戒」という記事を書いていたので紹介しておきたい。日から見て、すぐに腑に落ちるところと落ちないところがあると思うが、とりあえず米国の出版カンファレンスで語られているところを確認しておくだけでも無駄ではないと思う。 ロブ・イーガーの「ブック・マーケティング十戒」 汝以下を行うべし 人々に汝がつくりしのテーマだけでなく、結果についても語るべし 原稿はまず特定のグループに読ませ、出版前に成功を確認すべし 汝の隣人のFacebookフレンド、Twitterフォロワー、Amazonランキングを羨むことなかれ Webサイトのビジターを敬い、汝のの内容と精髄を試させるべし

  • コンテンツとテクノロジーの対話:(5)『日本語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(1)

    You are here: Home / 出版のテクノロジー / Data Format / コンテンツとテクノロジーの対話:(5)『日語組版処理の要件』と小林 敏さん、小野澤 賢三さん(1) 要求が定義され、機能の仕様が合意され、標準が出来る。その後に実装製品が出てくるのだが、ソフトウェア標準の開発者がまず覚悟しなければならないのは、標準化に対価は得られず、よい標準であれるほど、その機能はデフォルトとなり、早晩商品価値を失うということだ。人類に火をもたらしたプロメーテウスの運命。EPUB 3の日語組版をわれわれはどう生かすべきなのか。海外に出て行くか、日に入ってくるのを待つか。時間はそうない。(編集子解題) コンテンツとテクノロジーの対話:(5)『日語組版処理の要件』と小林敏さん、小野澤賢三さん(その1) 東京電機大学出版局から『W3C技術ノート 日語組版処理の要件』が発行され

  • E-Book再考 (9):読者/顧客/消費者の変貌

    かつて情報社会とか消費社会という言葉があった。その中身は大きく変わっているのだが、何が変わったのかは検証されておらず、漠然と同時の教科書的知識が陳腐化されて生きている。新しい現実と仮想的バリュー・チェーンを発見した企業は「常識」を破壊しつつ成長を続け、そうでない企業は漂流している。それぞれの仕方で消費者/顧客を再発見し、コンタクトできないと、勝負にならない。 紙と印刷によってビジネスとしての出版が生れた。デジタル化によって物理的実体を失い―まだ印刷の影でしかないとも言えるとしても―モバイルWebの上を移動する存在となったことで、従来の枠にとらわれずに発想する可能性と必要性が生れている。連載ではさまざまなことを取り上げてきたが、まだ大きな問題が残されている。それは「読者」と「編集」である。畢竟この2つは深い関係にあり、独立して論じると重要な論点が落ちると思われるからだ。これらは筆者も未知

  • 電子出版余談:書物の解体新書第一ラウンド

    臨済宗開祖・臨済の言葉に「仏に逢うては仏を殺せ。(中略)…始めて解脱を得ん」というのがある。小林さんは「を殺す(滅する)ことで大悟し、解脱を得たようだ。ページはの背で支えられている。背を断たれたはもはやではない。オーラを亡くしたものに物神性を継承させようとするのは不可能だ。ではE-Bookをと考える根拠は何だろうか。6年前のこの対話は、重要な問題を先取りしていた。 電子出版余談:書物の解体新書第一ラウンド(mixiログから) 以下は、2006年暮れに畏友安斎利洋さんとmixi上で交わした一連のやりとり。冒頭のリンクは、今見るとみんな切れているが、いくつかの裁断機やブックスキャナーの紹介。 [小林] http://www.aug-inc.com/bookscanner.html http://www.irextechnologies.com/products/iliad http:

  • E-Book再考(8):流通システム再構築の必要

    前回は、自主出版が拡大する根拠を、主に既存の出版流通システムから説明し、そもそも書籍出版には不向きであったと述べた。既存システムの欠陥は、ことごとくアマゾンの標的となり、その成長の原動力となっている。デジタルを警戒し、システムを守ろうとする姿勢は、さらに出版社を自縄自縛の状態に置いている。もはやE-Bookだけを問題にすることは無意味。紙とデジタル、新刊、既刊、古書を含めたの流通の再設計を考えるべき時だ。 書籍出版のための流通とは:“雑書混流”の矛盾 日はかつて、身分を問わず知識への渇望を持った国だった。江戸後期から1980年代頃までの約2世紀にわたって、一時の断絶はあっても、出版は知識需要とともに拡大を続けていたと考えられる。諸外国と比べても好きな民衆だったのだ。近代出版業の創始者たちは、つねにその国民を意識していた。裾野を広げ、頂点を高めることに努めていた。その後ビジネスは自動的

  • Webを出版環境に変えた活字組版:DD研参加記(2)

    Webはメディアとビジネスの風景を一変させてきたのだが、その力がにまで届くのは一番遅れ、日ではまだ完全に実現していない。それは活字組版が十分に出来なかったためだ。しかし2011年、最後のミッシングリンクとも言うべき日語組版仕様を含んだEPUB3によって、ボーダーレスなWebの出版環境は完成した。DD研での議論をご紹介する前に、組版を通してコンピュータと出版との歴史的関係をまとめてみたくなった。 出版における組版の意味 SigDDは1996年に発足したが、ちょうど「電子化文書」が普通になってきた頃で、構造や表現、意味、機能、作用、プロセス、連携など、多様な側面を総合的に議論すべき時期に来ていた頃だったと思う。筆者は1988~94年ごろまで『企業電子出版ビジネスレポート』というニューズレターを出していたが、上述したテーマはまだアカデミックなものと見られていた。企業が関心を持ったのは、もっ

  • EPUB 3の正式化:日本語組版仕様を含む世界標準 – EBook2.0 Magazine

    EPUB 3の標準化を進めてきたIDPFは10月11日、会員による投票の結果、提案どおりに最終仕様(IDPF勧告)として採択し、公開したと発表した。EPUB 3は2010年5月に着手され、今年5月に勧告提案として決着して正式採択を残すだけとなっていた。最新のWeb標準であるHTML5をベースとし、リッ チメディアや対話機能、日語縦組みを含む多言語表現、スタイルとレイアウトの拡張、メタデータファシリティ、MathML、アクセシビリティなどを含み、プリミティブだった従来の面目を一新した。 新世代の世界標準に日語組版仕様が入った奇跡 IDPFのビル・マッコイ事務局長は「デジタル出版は、電子テキストから拡張E-Bookや新しい形の表現形態へと進化していますが、EPUB 3は、様々なデバイスやブラウザ、アプリを利用する読者に豊かな体験を届ける上での著者と出版者の能力を劇的に広げるでしょう」と述べ

  • Kindle本貸借仲介サービスLendleが1日で復活 – EBook2.0 Magazine

  • 米国で急成長の条件が整った高等教育用eテキスト – EBook2.0 Magazine

    教育コンテンツ/ラーニング・ソリューションを提供する米国のXplana社は3月16日、高等教育市場における教科書出版に関する新しい調査レポートを発表し、2015年までに、電子教科書(以下eテキスト)が25% (現在0.5%)、約15億ドルを占め、17年には紙と並ぶと予測した。これは急成長する市場を反映させ、2010年4月発表の調査の数字を修正したもの。今後4年間の平均成長率を80~100%、その後の5年間は25~40%としている。この予測は、大学教科書や専門書の電子化の速度が、一般書籍を超えると見ていることを意味している。この市場には新規参入が相次ぐことになろう。 急成長の背景 調査をリードしたロブ・レイノルズ博士(Xplana社商品デザイン・調査部長)によれば、すでに教育出版社は商品開発とビジネス戦略を見直し始めているという。それは教科書の機能とコンテンツの両面を含んでいる。つまり多くの

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