草薙奈津子館長。作家の三沢厚彦さんに寄託され、平塚市美術館の名物となっている「ユニコーン」の前で「美術館へ行こう」 【足立朋子】平塚市美術館の草薙奈津子館長が「美術館へ行こう」(岩波ジュニア新書)を刊行した。就任9年で入館者を3倍にしたカリスマ学芸員。美術館の舞台裏や、芸術と人との出会いを作る仕事の魅力を分かりやすく伝えている。 草薙さんは、日本画専門の私立美術館、山種美術館(東京都渋谷区)で30年近く学芸員を務めた後、2004年、平塚市に請われて転身した。「湘南のイメージにひかれて」やってきたが、年間の入館者数がわずか3万人台と知り、がくぜんとしたという。 市美術館は1991年、97億7700万円をかけて開設。JR平塚駅から徒歩20分と離れているが、緑に囲まれた大理石張りの立派な建物があり、狭い都心で仕事をしてきた草薙さんには「もっと集客できる」と思えた。 続きを読むこの記事の続き