子丑寅卯辰巳午未申酉戌亥のうち、なぜ戌だけが第2水準漢字なのか、という質問をもらった。まあ、偶然と言えば偶然なのだが、ざっと歴史を追ってみることにしよう。 『標準名づけ読本』(婦女界社、1940年12月)の500字には、十二支のうち子丑寅卯辰巳午酉亥が含まれていて、未申戌がなかった。一方『当用漢字表』(国語審議会、1946年11月)には、子午未申が収録されていた。すなわち、『標準名づけ読本』と『当用漢字表』を合わせると、十二支のうち子丑寅卯辰巳午未申酉亥の11字が含まれていたわけだ。この結果、1951年5月の『人名用漢字別表』内閣告示により、戌を除く11字は子供の名づけに使えるようになった。JIS C 6226-1978は、当用漢字と人名用漢字を全て第1水準漢字に収録するという方針で設計されたことから、子丑寅卯辰巳午未申酉亥は第1水準漢字となり、戌だけが第2水準漢字となってしまったわけであ