サービス・プロバイダが抱えている問題は,加入者はもっと多くの帯域を欲しているが,その一方料金を払いたくないということだ。なぜそのような事態に陥っている背景には,インターネット上のアプリケーションの発展がある。 10年前,インターネットで使われるアプリケーションのほとんどは,Webのブラウジングやメールのやり取りだけだった。それに対して,今日のトラフィックは,YouTubeやiTunesをはじめとしたリアルタイム映像のダウンロードがより多くの部分を占めるようになった。 このためサービス・プロバイダは,自社のネットワークに加入者をとどまらせるには,キャパシティを増大させていく必要がある。その結果,ネットワークの設備の増強にコストがかかる。しかし,その分を料金に転嫁していくと,やはりほかの事業者に乗り換えられてしまう。 なぜそのような事態に陥ってしまうのか。 根本の原因は,インターネット経済にネ