わあ、もう夜10時だ。3歳のわが娘はベッドにも行っていない。「もう寝る時間でしょ」と怒るとグスグス泣く。こんな時に一言。「あ、オバケがあそこに」。サッと表情が変わって「ベッド行く」とボソリ。効果てきめん、助かった。だけど、こんな脅しみたいなしつけで本当にいいの? 母子手帳を開くと、育児の解説があった。3歳ごろの叱り方について「なぜいけないのかを丁寧に伝えましょう」と書いてある。怖がらせて言うことを聞かせるのは、きっと違う。 でも、世間の親たちも困っているみたい。言うことを聞かないと恐ろしい形相のオニから電話がかかってくるスマホアプリがはやったり、生々しい地獄絵で「悪いことをするな」と説いた絵本がしつけに効くと話題になったり。共にここ数年のことだ。 「なまはげ」は巧妙だった 独りで悩んでいてもらちがあかない。専門家に聞いてみることにした。 「なまはげを例に考えてみましょうか」。大日向雅美・恵
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