社内ネットワークを支えるEthernetは、いくつもの規格の集合体になっている。その中心となるのは伝送メディアやフレーム形式、アクセス制御などを定義した「IEEE802シリーズ」と呼ばれる規格だ。ここでは、Ethernetの成り立ちと骨組みについて、深く掘り下げていこう。 Ethernetの歴史 まずは、Ethernetの歴史からひもといていこう(表1)。Ethernetの原点は、意外なことにハワイ大学が構築したALOHAnet(アロハネット)という電波(UHF400MHz帯)による無線パケット通信システムだった。 ご存じの通り、ハワイは多くの島からなっており、直接ケーブルを引くのが困難だった。このことから無線が採用されたのだ。しかし、電波は混信しやすいため、ひんぱんにデータの衝突が発生する。当然、通信効率が悪く、これをいかにして効率よくするかが後のCSMA/CD(Carrier Sens