経営再建中の半導体大手、ルネサスエレクトロニクスが打ち出した工場閉鎖案をめぐって、関係者間での駆け引きが続いている。 焦点となっているのは、ルネサスが閉鎖する意向を表明した鶴岡工場(山形県鶴岡市)。システムLSIの基幹工場であり、2カ所しかない300ミリウエハ対応ラインを持つ国内では最先端の工場だ(300ミリのもう一カ所はマイコンの基幹工場である茨城県ひたちなか市の那珂工場)。 ルネサスが8月2日に発表した構造改革策で、鶴岡工場は「3年以内に集約」と位置付けられた。集約とはすなわち閉鎖を意味する。鶴岡以外にも閉鎖とされたのは甲府工場(山梨県)や滋賀工場(滋賀県)、高崎工場(群馬県)の一部ラインがある。 任天堂ゲーム機やAV機器向け半導体を生産 鶴岡は任天堂のゲーム機向け特注半導体が主力で、国内電機メーカーのAV機器用など幅広い品目の半導体を生産している。国内電機メーカーの地盤沈下に加えて、