大学に進学したけど就職先がない。若者たちが直面する厳しい現実が、文部科学省が5日公表した、今年度の学校基本調査(速報)から浮かび上がった。 平成22年3月時点での大学・短期大学への進学率は56・8%で過去最高を更新し「大学志向」はさらに強まったが、一方で、不況の影響を受けて大卒の就職率は60・8%に低下。前年度比で7・6ポイントダウンと、過去最大の下げ幅となった。 調査によると、浪人生を含める大学・短大への進学者は69万1千人で、進学率は前年比0・6ポイントアップの56・8%。35%程度だった昭和60年代からの長期上昇傾向が続いた。 しかし、就職率は、不況で企業の採用状況が悪化していることなどから大幅ダウン。今春の大卒者(学部)は54万1千人に上るが、就職率は7・6ポイント低下し60・8%。短大卒業生の就職率も4・7ポイント低下し65・2%だった。 大学院などへの進学率は1・2ポイント上昇