今夜の上弦の月は、やけに綺麗に見えました 明日の長くなりそうな最終回を前にして 今夜は短くサクッと終わる予定です… 彼女と別れることで、新しい未来への第一歩を踏み出せるかと思われたチャンスはどうやら失われてしまったようだ。手からするりと滑り落ちたグラスが砕け散ってしまったみたいに、見事なまでに粉々になって。 私は、電車の中で半ば放心状態だった。おかしなポージングをした彼女に電車を見送られ二人と別れたあと、何と二人と会ってから三時間もの時間が経過していた事に気付きとても驚いていた。夜もすっかり更けていた。 やれやれ、明日が休みで良かったな。つくづくそう思いながら空いている座席を探した。身体はくたくたに疲れているのに、頭だけはまだ興奮しているのか妙に冴えていた。そして、さっきまで自分の身に起きていた凡そ現実とは思えない三時間の出来事を隅々まで思い出していた。 全身に浴びせられた彼女のことばを。