司馬遼太郎全集に収録されている随筆のなかに、昭和41年の「日本読書新聞」に掲載されたという「播州の国」という短いエッセイが収録されている。 よく知られているように司馬さんの家は数代前まで播磨国(はりまのくに・兵庫県)に住んで居られたそうで、記憶を振り返るとこの事は何度か司馬さんの文章のなかで出逢った気がしている。 また黒田官兵衛を主人公にした作品「播磨灘物語」をみても司馬さんが播州・播磨国に愛着を持たれているのは間違いないように思われる。 播磨という個性的な名前は調べてみたがその由来には決定打が無いようである。古い記録には針間国と表現される例もあるらしい。 私も昨年兵庫県の内、播州の東外れに越して来て早1年半になろうとしているが、先日永年播州地域に住む中学同級生からLINEで「あなたが播磨人になったと実感しました」とあり少々嬉しく面映ゆい感じがしたのだが、私自身は半世紀近く住んだ大阪人でも