[ CRITIQUE ] [ダンス]VS ダンス ―ピナ・バウシュとフォーサイス ピナ・バウシュの“最後のダンス作品”『春の祭典』(’75)は、 彼女について、彼女の「タンツテアター」について語るとき、もう 今では誰もが暗黙の裡に等閑に付すであろう作品かもしれない。 なるほど「ピナのタンツ・テアター」とはダンスが不可能になった 地平においてなおも、あくまでダンスたろうとするとき取らざる を得ない表現には違いない。しかしダンスのパラダイム内のディス クールにおいては、依然として「ヌーヴェルなんとか」始め、 キリアンだのマッツ・エックだのそれこそ噴飯物のエイフマンさえ 語られ続けてしまうのであってみれば、ピナの『春の祭典』が ダンスとしていかに重要か、言い換えればそれがダンスとして超え られていないことを言いたくもなるというものだ。しかし『春の 祭典』はやはり、いかんともし難く[ダンス]=「制