航空自衛隊の「花形」とされる操縦士が、昨年まで三年連続して、それ以前の四倍以上に当たる毎年二十人ずつ自衛隊を辞めていることが分かった。退官者が急増した時期は、イラクの首都バグダッドへの空輸が実施されたタイミングと重なる。防衛省は「イラク空輸と退官者増の因果関係は不明」としているが、「ゆゆしき事態」として調査に乗り出した。 防衛省人事計画・補任課によると、航空自衛隊の操縦士は例年数人の退官者がおり、二〇〇四年は三人、〇五年は五人で推移していたが、〇六〜〇八年は毎年二十人に急増した。操縦士の退官者増は空自だけにみられる傾向で、陸上、海上自衛隊に変化はないという。