じつは日本は法治国家の体をなしていなかった……! 「法の空白」をどう埋めていけるのか。今、どのような議論が必要なのか。東京外語大学教授の伊勢崎賢治氏と弁護士で伊藤塾塾長の伊藤真氏が徹底討論!(撮影:村田克己) 前編「日本人がまだまだ知らない…自衛隊『深刻すぎる大問題』の正体」はこちら もし今、「虐殺」が起きたら? 伊勢崎:2020年4月に超党派のような形で「国際人道法違反を裁けない日本の法体系を考える集い」というシンポジウムを開催しました。与野党の対立を超えて心ある政治家の参加がありましたが、手応えは今一つ。実際、あの後はなにも動いていないのです。そこで、早急に考えたいのは、これから、この問題をどう展開していけばいいのかということです。 たとえば、1世紀ほど前に、「関東大震災朝鮮人虐殺事件」が起きました。実は関東大震災80周年のタイミングで日弁連は次のような会長談話を発表しています。 《1