芸人養成所の「よしもとNSC」を立ち上げ、その中でダウンタウンを発掘・育成し、また、衰退していた吉本新喜劇の立て直しに成功して、吉本興業の伝説の広報マンと呼ばれた竹中功氏。その竹中氏が『お金をかけずにモノを売る 広報視点』を上梓した。同書は費用をかけずにPR効果を発揮するためのさまざまな手法が説かれたビジネス書であるとともに、芸能の世界でワンランク下の存在だった「お笑い」という産業が、いかにしてメジャー化していったかのドキュメントでもある。お笑いを一大産業にまで押し上げ、吉本興業を躍進させた陰の立役者である竹中氏に、その時代背景と広報マンとしての活躍ぶりを聞いた。文=吉田浩 (たけなか・いさお)1959年大阪市生まれ。同志社大学大学院総合政策科学研究科修士修了。81年吉本興業株式会社に入社。宣伝広報室を設立し、『マンスリーよしもと』初代編集長を務める。吉本総合芸能学院(よしもとNSC)の開