これを言うと怒られるんだけど、下村治さんも、オイルショック以降は「ゼロ成長論者」になって、「これからは低成長」「日本は江戸時代みたいになるのがいい」という方向に行ったそうだからね。自分は一部の人らの「江戸時代論」は、主張者の論拠はともかく、それほど馬鹿にも出来ないと思ってる。

どう考えたって少子化対策って、この赤枠の部分（年収300万円未満）の話をしなきゃいけないんですよね。今までの経済政策とか、こういう部分を無視してきすぎたよね。出産とか文化とか、色んなものを数字の外に追いやって「別の問題」に切り離し… https://t.co/JxDKPljQTw

不思議なのは、「マイノリティ」が「傷付いた」と言うと血相を変えて大騒ぎするのに、結構な数の人間が「仕事が辛い、苦しい」と言っても、統計が出てきて「全体で見れば問題はない」となってしまうことだよなあ。この構造は一体なんなんだろうか。なぜここでだけ、「個人」が無視されるのか。

これねえ。メイ首相にはお子さんがいないから、「高齢出産を差別してる」とか「障害者を差別してる」とか、逆側からならいくらでも言えそうなんだよなあ。お咎めなしなのは、それが「敵」に向けたものだからでしょう。「右翼は外部に敵を作りたがる… https://t.co/lZPFFFAhQ2

ネオリベが産休とかに関しては「規制なんか要らない。市場に任せろ」と言わないのは、そういうことだよね。比較的大人しく、資本家に対して反乱を起こさない女のほうに力を与え、男を抑えるという、見事な「分割統治」。これは「マイノリティ」問題全般に当てはまる構造でもある。

２００８年のトッド「皮肉なことに、資本主義がより優れたシステムだというのは、共産主義が存在している限りでの話だ。てんびんの反対側の重しだったソ連が崩壊し、市場原理を制御していたすべてが取り払われてしまったために、世界は極めてばかげた道を歩んだ。資本主義の悪い面ばかりが残った」

日本の何倍もの補助金を受けてる欧米の農業が「改革が進んでる」と言う人が、日本も何倍もの予算を農業に注入して「改革を進める」と言うならまだ分かるが、実際には「そのまま努力でなんとか勝て、勝てないならそのまま死んでこい」って言うんだから、こりゃ「竹槍でB29」の国だなと。

日本の農家には「補助金なんか貰いやがって！　既得権益！　自由市場で競争しろ！」って言っといて、他国の補助金漬けの製品や農作物が安い値段で入ってきたら「これが自由貿易の効果！　日本の農家が潰れるのは自業自得！　既得権益は破壊された！」ってやんのかな。

国民が政府に言論統制などの力を与えすぎると、政府は結局その力を使って国民を自ら統制するようになる……というのが我々が習った古いリベラリズムの教えだったわけだけど、反難民の画像を共有したら警察が家に来るようになったドイツは、それが事実かどうかをこれから証明することになる。

しかし、イギリスの首相が「個人主義は行き過ぎだ」と言い出したというのは、これは大きなことだね。やはりリベラリズムの修正は間に合わなかったかな。できればリベラルのほうから修正して欲しかったが、そんな修正が起きる気配すらない以上、仕方ない。そのまま断頭台まで行ってもらうしかない。