野球は“オフ”も、それなりに楽しい。 野球関係者が集まる会合で、また散会後のひとときに、アルコールの勢いもちょっと借りた感じのリラックスした笑い話には、捨て置くのはもったいなさ過ぎるほどの“教え”や“ヒント”があちらこちらに見え隠れしていて、とても酔っ払ってはいられない。 その日はある高校野球の指導者が、バッティングを教えるのが難しい……ときり出した。 「流行りみたいに、みんなフルスイングって言い始めたけど、やっぱりどう考えても“ピッチャー返し”の合理性をひっくり返すこと、できないじゃないですか……」 これに居合わせた多くの人が「共感する」と答えたから、「へぇー」っと思った。 一昨年あたりからか、フルスイングというスローガンを掲げたチームが主に高校野球界に次々と現われて、実戦の中で「肉も裂けよ!」とばかりに猛烈なスイングを見せてくれるようになった。 しかし多くの場合、それはフルスイングとい
![ピッチャー返しはなぜ有効なのか。雑談から飛び出した驚きの理論。(安倍昌彦)](https://cdn-ak-scissors.b.st-hatena.com/image/square/a1ade9c31de2d8da5d732b19335dc03652f4c594/height=288;version=1;width=512/https%3A%2F%2Fnumber.ismcdn.jp%2Fmwimgs%2F5%2F6%2F-%2Fimg_5663af10e8c53cf63d29dae88fb0f36994933.jpg)