神社から臨時収入?を得た龍太はその足で日暮れの坂道を駆け上ると商店街の端の角にある小さな本屋に向かった。 龍太 「一度新品で買って見たかったんだあ~!」 龍太は何だか感動気味に週刊誌の一冊少年ゾンビを手に取り、レジのおっとりとしたおじさんにお金を払うとすぐに店を出てきた。が、その時偶然にも外で高一の姉に出くわしてしまった。母と同じ無駄遣いにはとてもうるさい姉の小百合(さゆり)。とっさに後ろ手に本を隠そうとしたが、それよりも先に素早く小百合に取り上げられてしまう。 小百合 「あんた、何勝手に寄り道してこんなもん買ってんのよ!週刊誌なんて立ち読みで十分でしょうが!お父さんが駅で拾ってくる雑誌じゃ我慢できないの!うちはお金に余裕もないんだから、安易にお金を物に変えるなってお母さんにもいつも言われてるでしょ!」 渋った顔の龍太 龍太 「いいじゃん、俺だってたまには欲しいもんくらい自分で買いたいし!