ブックマーク / number.bunshun.jp (272)

  • 15歳の新星は練習の鬼で小心者?宮原知子、ソチを胸に大一番に挑む。(野口美惠)

    身長144cmの小さな身体に、か細い声、おっとりした話し方。宮原知子(さとこ)には、他人を押しのけてトップを目指す勝ち気なところはないが、何事も諦めない粘り強さがある。言葉では自分の主張をしない15歳の瞳にも、五輪代表への夢はしっかりと輝いている。 4歳のとき、アメリカでスケートを始めた。習い始めた時のジャンプは逆回転となる右回り。7歳で帰国してからは、濱田美栄コーチのもと他の日選手と同じ左回りに変更した。 ジャンプ技術を身につける上で「遅れ」になる可能性もあったが、練習中にまったくお喋りもサボりもしない集中力で、あっというまに他の子供達に追いついた。 13歳で出場した'11年全日ジュニアは「3回転ルッツ+3回転トウ」と「3回転フリップ+3回転トウ」の難しい連続ジャンプを成功させ、浅田真央のジュニア時代の記録を抜く172.17点で優勝を決めた。 教わったことは完全に習得するまで諦めない

    15歳の新星は練習の鬼で小心者?宮原知子、ソチを胸に大一番に挑む。(野口美惠)
  • 快速牝馬ベルカントをパートナーに、武豊、朝日杯でGI全制覇なるか?(島田明宏)

    ベルカントの調教師角田晃一はのちにブエナビスタの母となるビワハイジに騎乗してダービーに出走した経験がある。 来年から朝日杯フューチュリティステークス(12月15日、中山芝1600m、2歳GI)は、直線が長く、力どおりに決まりやすい阪神芝外回り1600mに舞台を移す。トリッキーな中山芝1600mで行なわれる2歳王者決定戦は、これが最後になるわけだ。その意味で区切りとなる今年は、どんなレースになるだろうか。 先週の阪神ジュベナイルフィリーズには5頭の重賞勝ち馬が出走した。うち3頭は重賞で牡馬を負かした無敗馬という超豪華ラインナップだった。 それに対し、ここに出てくる重賞勝ち馬は1頭だけで、しかも牝馬である。 東京スポーツ杯2歳ステークスを勝ったイスラボニータも、京王杯2歳ステークスの勝ち馬カラダレジェンドも、京都2歳ステークスを差し切った良血馬トーセンスターダムも出てこない。 このメンバーでは

    快速牝馬ベルカントをパートナーに、武豊、朝日杯でGI全制覇なるか?(島田明宏)
  • 元五輪選手が紛争地帯で獅子奮迅!井本直歩子が選んだ、第二の人生。(松原孝臣)

    初めて会ったのは、13年前、五輪代表選考会で落選してから数日後だった。 2度目のオリンピックに行けないことが分かってわずかな時間なのに率直に胸のうちを語り、そしてうかがえた明晰な思考、まっすぐな意志、そうした根は、選手から復興支援へと立場を大きく変えた今なお、変わらずにいる。 井直歩子は競泳の選手として、1996年のアトランタ五輪に出場。4×200mフリーリレーでは4位入賞を果たしている。 '00年に現役を引退し、その後、マンチェスター大大学院で紛争復興支援の修士号を取得。'03年、JICA(国際協力機構)のインターンとしてガーナへ派遣されたのが復興支援活動のスタートとなった。'04年からはシエラレオネ、'05年にはルワンダへ。その後、国連児童基金(ユニセフ)の職員として、'07年秋からはスリランカに赴く。'10年夏には、同年1月の大地震で約22万人の犠牲者が出たハイチへスリランカから

    元五輪選手が紛争地帯で獅子奮迅!井本直歩子が選んだ、第二の人生。(松原孝臣)
  • 殿堂入り候補者となった野茂英雄の輝かしい功績。~日米球界を変えたトルネード~(四竈衛)

    人メジャーのパイオニアと呼ばれる「ヒデオ・ノモ」の名前が、久しぶりに米球界で聞こえてきた。1995年に米国へ渡り、いきなり新人王、奪三振王などのタイトルを獲得した野茂英雄氏(当時ドジャース)が11月26日、日人として初めてMLBの殿堂入り候補者に選ばれたのだ。 米国の殿堂は、全米野球記者協会(BBWAA)に10年以上所属する記者の投票によって選出されるもので、75%の得票が必要とされる。対象とされるのは、メジャーで10年以上プレーし、引退から5年以上が経過した元選手で、今年の候補者は36人。野茂氏のほか、通算355勝のグレッグ・マダックス、同305勝のトム・グラビン(いずれもブレーブス)ら実力者が名前を連ねており、現実的には同123勝の野茂氏が選出される可能性は低いと言わざるを得ない。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただ

    殿堂入り候補者となった野茂英雄の輝かしい功績。~日米球界を変えたトルネード~(四竈衛)
  • 本田移籍問題でイメージ低下も……。ロシア経由4大リーグ行きの将来性。(木崎伸也)

    CSKAモスクワ時代の田圭佑を取り囲むFCクラスノダールの選手。この10月のアウェーでの対戦では1-5と敗れたものの、12月のホームでの試合は1-0とCSKAを下した。 ここ1、2年、ロシアリーグとパイプを持つ代理人から、こんな情報を耳にしていた。 「クラスノダールのクラブが、日人選手に興味を持っている」 クラスノダールにはクバン・クラスノダールとFCクラスノダールがあり、その両クラブともに日人選手をリストアップしているというのだ。田圭佑のCSKAでの活躍や香川真司のマンチェスター・ユナイテッド移籍によって、ロシアでも日株が急上昇しており、新たな投資先として目が向けられている。 ただ、打診を受けた代理人に話を聞くと、「クラスノダールがどんな街かわからないのが不安」と語っていた。確かに首都のモスクワに比べ、地方都市の情報は極端に限られている。日常生活が想像できないと、代理人としても

    本田移籍問題でイメージ低下も……。ロシア経由4大リーグ行きの将来性。(木崎伸也)
  • 「遠回りしたっていいと思ってる」J2の1年は遠藤保仁の何を変えたか。(二宮寿朗)

    「J2 Most Exiciting Player」を受賞する遠藤保仁。プロ入り初の主将、宇佐美をサポートする高めのポジションなど、初体験に満ちた1年となった。 いつもの指定席に、いつもの人がいなかった。 Jリーグ年間表彰の舞台となる2013年の「Jリーグアウォーズ」。2003年から10年連続でJ1ベストイレブンに選ばれていた遠藤保仁は、壇上に並んだ11人の選手たちを外から見つめていた。 セレモニー後、そのときの気持ちをちょっと聞いてみた。フッと軽い笑みを浮かべたのちに、実に彼らしい答えが返ってきた。 「久しぶりにベストイレブンのメンツを外から見ましたけど、日人全員というのは久しぶりだし、それは凄くうれしかったですよ。それに、あそこにまた立ちたいなって思いましたね」 いつも自然体で、すべての事象を後ろ向きに捉えることなく、自分の成長につなげようとする。来年1月に34歳を迎えるベテランの変

    「遠回りしたっていいと思ってる」J2の1年は遠藤保仁の何を変えたか。(二宮寿朗)
  • 挑まれる立場で迎えたソチ最終選考。GP王者・羽生結弦、無限の可能性。(田村明子)

    GPファイナルで、チャンを下したSP「パリの散歩道」。前人未到の100点越えはならなかったが、会場は割れんばかりの拍手に包まれた。 19歳の誕生日を翌日に控えた12月6日、羽生結弦は世界王者のパトリック・チャンを破り、初のGPファイナルタイトルを手に入れた。 今回のタイトルは、日人男子としては高橋大輔に次いで2人目の快挙である。わずか3回目の挑戦で、昨年の2位から一つ順位を上げてタイトルを手にした。 「点には驚いていますが、あれだけの評価をいただいたことを期待点と受け止めて、これからももっといい演技をできるようにしていきたいです」 羽生のような天才肌の若手は、欧米、特にロシアなどからたまに出てくる。だが日男子では彼ほどジュニアからシニアへの移行がスムーズにいった選手は他にいない。羽生は他の選手が喉から手が出るほど欲しいものを、いとも簡単に次々と手に入れていっているかのように見える。 だ

    挑まれる立場で迎えたソチ最終選考。GP王者・羽生結弦、無限の可能性。(田村明子)
  • ウルグアイ、イタリアと死のD組に。イングランドは国内の悲観論を覆せ!(山中忍)

    抽選会直後のミックスゾーンで記者に囲まれるホジソン監督。「第1シードが2ついるようなものだ。それでも、私はポジティブだよ」と語った。 12月6日に行なわれたW杯組分け抽選の結果、イングランドはグループDから決勝トーナメント進出を目指すことになった。対戦相手は、強豪のイタリア、難敵のウルグアイ、そして、未知数のコスタリカ。「D」は「Death」の頭文字という語呂の良さもあり、抽選結果を伝える国内メディアでは、「死の組」という言葉が盛んに使われた。当人は冗談のつもりだったようだが、抽選会場で喉元をかっ切る仕草をする、グレッグ・ダイクFA会長の写真も各紙に掲載された。 大衆紙ともなると、母国のクジ運のなさに、得意の自虐的なユーモアが全開。最大手の『サン』紙では、ブラジルの代表的なイメージでもある、「コルコバードのキリスト像」写真と、「神の御加護を!」の見出しが第1面を飾った。 紙面をめくれば、そ

    ウルグアイ、イタリアと死のD組に。イングランドは国内の悲観論を覆せ!(山中忍)
  • CL決勝トーナメント見所総まとめ。大規模監督交代が生んだ因縁を読む。(田邊雅之)

    スイスはニヨンにあるUEFA部にて行なわれた抽選会の、組み合わせ結果発表の画面。ベスト16ともなると、ほぼどの対戦にも優勝候補が絡んでくる。 近年例を見ない一連の監督交代劇から約半年、CL決勝トーナメント抽選会の時期がやってきた。12月16日に行なわれたこの抽選会は、欧州サッカーのシーズンがいよいよ佳境に入りつつあることを示す、シンボリックな意味合いを持っている。と同時に浮かび上がってくるのは「戦いの構図」――毎年、微妙に移り変わっていく文脈である。 今シーズンのCLでは、イングランド勢の復調とドイツ勢の安定感、そしてイタリア勢の元気のなさが顕著だ。この事実は、決勝トーナメントに残ったクラブの国籍からも伺える。(内訳はプレミア4、ブンデス4、リーガ3、セリエ1、その他4)。 たとえば昨シーズンは、マンチェスター・シティとチェルシーがグループリーグで敗退。マンチェスター・ユナイテッドとアー

    CL決勝トーナメント見所総まとめ。大規模監督交代が生んだ因縁を読む。(田邊雅之)
  • <Jリーグに愛された妖精> ドラガン・ストイコビッチ 「世界のどこかで必ず日本を見つめている」(田邊雅之)

    選手として8年、監督として6年。名古屋を去る 決断を下した名選手にして名監督“ピクシー”が、 日とJリーグへの尽きせぬ思いを語った。 現役時代と監督時代を合わせると、僕はかれこれ14年も日で過ごしたことになる。 振り返ってみると、あっという間だったよ。もともと人生なんて短いものだけど、ほんの数日前に来日したような印象しかない。 日にこれほど長く留まることができたのは、すごく幸運だったと思う。実は1994年に来日した当時、名古屋を辞めてヨーロッパに戻る寸前までいったんだ。当時のグランパスは試合に負け続けていたし、つまらないミスも多すぎた。なのに監督と話し合いをしようとしても、一切聞く耳を持ってもらえなかったからね。 そこで奇跡が起きた。フロントが監督を代えてベンゲルを連れてきたんだ。彼が名古屋にやってきたのは、クラブにとっても僕にとっても、大きなターニングポイントになった。 以来、僕は

    <Jリーグに愛された妖精> ドラガン・ストイコビッチ 「世界のどこかで必ず日本を見つめている」(田邊雅之)
  • ついにイタリアへ旅立った本田圭佑。実り多きCSKAでの4年間を振り返る。(戸塚啓)

    雪のちらつくモスクワに別れを告げ、念願の地イタリアへ。4年間のロシア生活は、田が高く羽ばたく準備をするには十分な時間だったのだろう。 田圭佑がCSKAモスクワを去った。12月10日のチャンピオンズリーグ第6節が終了し、CSKAが2013年の全日程を消化したことを待って、ACミラン加入が発表された。 昨シーズンあたりから移籍マーケットが開くたびに去就が取り沙汰され、リバプール、レアル・マドリー、ラツィオ、マンチェスター・ユナイテッド、インテル・ミラノなどのビッグクラブが、田に興味を示していると報道されてきた。最終的にはCSKAとの契約を満了したわけだが、ロシアで過ごした4年間は彼にとってどのような意味を持つのか。 長過ぎた冬が、ようやく終わりを告げたのか。 否、そうではない。 田が加入する以前のCSKAは、ロシアプレミアリーグで劣勢を強いられていた。モスクワダービーを争うスパルタクの

    ついにイタリアへ旅立った本田圭佑。実り多きCSKAでの4年間を振り返る。(戸塚啓)
  • <ゴールハンターの叫び> 大久保嘉人 「どうしても得点王を取りたかった」(小宮良之)

    新天地・川崎フロンターレで31歳にしてキャリアハイを大幅に更新。 男は臆面もなく、自身初のタイトル・得点王へのこだわりを明かした。 大久保嘉人は31歳にして、シーズン自己最多得点を記録した。ヴィッセル神戸から川崎フロンターレに移籍してきて以来、まるで“ゴールの鍵”を手にしたようだ。 「大人になったことで得点が取れている」と関係者は好調の理由を説明する。しかしセレッソ大阪、マジョルカ、ヴォルフスブルク、ヴィッセル神戸と取材を続けてきた筆者から見て、彼の質は変わっていない。むしろ、得点を取り続けているからこそ落ち着いているように映る。だとすれば、ゴールに結びつくプレーそのものに真実はあるはずだった。 自身初のJリーグ得点王タイトルを目前にした彼を訪ねた。 ――Jリーグ得点王に王手(31節時点で24得点)? 「まだ取ってないよ。気が早いって(笑)」 ――残り3試合で3点差。 「3点差なんて、他

    <ゴールハンターの叫び> 大久保嘉人 「どうしても得点王を取りたかった」(小宮良之)
  • 落合大減俸とポスティング問題。今オフ2大騒動の本音とタテマエ。(小関順二)

    大鉈を振るった落合GM。常々「プロ野球は契約社会」と語っていたが、監督時代の面倒見のよさとは全く異なる顔を見せた。 今年のオフ、最も注目されたのは落合博満・中日GMが行った年俸削減と、NPB(日野球機構)とMLB(アメリカ大リーグ機構)の間で取り交わされた新ポスティングシステムの話題だろう。 今オフ、GM(ゼネラルマネージャー)に就任した落合氏は'04~'11年までの8年間、中日の監督としてリーグ優勝4回、2位からクライマックスシリーズを勝ち上がっての日一1回と、名将の名をほしいままにした。当然、ほとんどの現役選手はその薫陶を受けているので、「きみには1億円の価値がない。その半分の5000万円で判を押してくれ」と言われたら「はい、わかりました」と頷くほかない。実際にそのような契約更改が行なわれた。主力選手の新年俸は次の通りである(以下の年俸額はすべて推定)。 岩瀬仁紀 3億7000万円

    落合大減俸とポスティング問題。今オフ2大騒動の本音とタテマエ。(小関順二)
  • マンデラ氏に捧げる感謝と哀悼。ゴルフ界に残る伝説のスピーチとは。(桂川洋一)

    1998年ミリオンダラー・ゴルフチャレンジ(現・ネッドバンクゴルフチャレンジ)に出場するため南アフリカを訪れたウッズは、マンデラ氏の自宅を訪問した。 プロゴルファーたちが発するソーシャルメディアはいつも賑やかだが、その日ばかりは趣が違っていた。 12月5日。南アフリカの人種隔離(アパルトヘイト)の撤廃運動に尽力し、ノーベル平和賞を受賞した南アフリカの元大統領ネルソン・マンデラ氏が95歳で逝去した。 多くの選手が哀悼の意を示す中、ツイッターでの“物言い”が度々物議を醸してきたイアン・ポールターも「当に悲しいニュース。安らかにお休みください。多大な影響を与えた方だった」と即座に反応。韓国系ニュージーランド人で2カ月前にプロ転向、既に米女子ツアー2勝を誇る16歳のリディア・コも「彼は真のリーダーでした」と寄せた。 ゲーリー・プレーヤー、グレッグ・ノーマン……往年の名選手たちも続々と感謝の言葉を

    マンデラ氏に捧げる感謝と哀悼。ゴルフ界に残る伝説のスピーチとは。(桂川洋一)
  • 楽天が20億円以上を手にする“秘策”。「パッケージ・ディール」って何?(生島淳)

    MLBとのミーティング後に、米メディアに田中投手の移籍について語る立花陽三球団社長。ゴールドマン・サックス、メリルリンチなどに在籍したビジネスマンの領を見せられるか。 楽天・田中将大のポスティングをめぐっての処遇が、意外にも長期化の様相を見せてきた。 当初は、田中がメジャーへの移籍を希望した時点で楽天は送りだすという予想を立てていたのだが、「球団で預からせて欲しい」という立花陽三球団社長の言葉通り、ボールは楽天に預けられた状態になっている。 解決の見通しは立っているのか。 12月18日、楽天の安部井寛スカウト部長が「容認ありき、の話ではないです」とした上で「球団内でそんなに簡単に調整できる話ではないので、長引く可能性はあります」とコメントした。 そして私が注目したのは、次のコメントだった。 「新制度は、以前とは違うもの。これから議論を重ねていかないといけない」 当然、議論の中身が気になっ

    楽天が20億円以上を手にする“秘策”。「パッケージ・ディール」って何?(生島淳)
  • <独占インタビュー> 井端弘和 「いざ、巨人軍へ」(鷲田康)

    真骨頂たる右打ちで日中を熱狂させたWBCでの大活躍から一転、 不調のシーズンの果てに、16年間を過ごした愛着あるチームと決別。 新天地での再起を期す男が、秘めた決意を静かに語りはじめた――。 屈辱だったことは想像に難くない。 中日一筋に16年。荒木雅博との“アライバ”コンビとして、強い中日の象徴的な存在だった井端弘和は、このオフに就任した落合博満GMによって、実質的に切られた。 年俸2億5000万円から88%減の3000万円への減俸提示。かつては師弟関係とも言われていた元監督の示した条件は、井端に「やめろ」と言っているのも同じだった。 提示を受けたときは、相当ショックだったのでは? インタビューで改めてこのときの気持ちを問うと、井端は静かに首を振った。 「いや、そんなでもないですよ」 時が経ったせいもあるのかもしれないが、かつてのボスの仕打ちを、今は淡々と受けとめている。 「契約社会なの

    <独占インタビュー> 井端弘和 「いざ、巨人軍へ」(鷲田康)
  • 4年間昇格を阻んだ千葉の“性格”。「関塚効果」はJ1復帰をもたらすか。(細江克弥)

    過去4年にわたってJ1昇格を阻んできた“性格”を、ジェフユナイテッド千葉はようやく変えつつある。 古豪のJ2降格が驚きを伴うニュースとして発信されたのは、今から5年前のことだった。 失意のまま迎えたJ2初年度の2010年は4位、2011年は6位と低迷し、2012年はリーグ戦を5位で終えて昇格プレーオフ決勝で敗退。昨シーズンも同じく5位でリーグ戦を終え、プレーオフ準決勝で徳島ヴォルティスに阻まれ、決勝進出はならなかった。 ADVERTISEMENT 過去2年連続でプレーオフ敗退を強いられたため「あと一歩」の印象が強いが、毎年のように優勝候補に挙げられながら、J2における結果は初年度の4位が最高成績。「リーグ屈指の戦力」と評されたチームの“上”には、いつも3つ以上のクラブが存在していた。 つまりJ2で過ごした4年間は、J1昇格まで「あと一歩」だったわけではない。アウェーで勝てない。連勝できない

    4年間昇格を阻んだ千葉の“性格”。「関塚効果」はJ1復帰をもたらすか。(細江克弥)
  • 箱根駅伝の向こう側を知るコトバ。~生島淳・著『箱根駅伝コトバ学』~(幅允孝)

    新年の風物詩をコトバから読み解く。正月の2日、3日と言えば、箱根駅伝。NHKラジオをかじるように聴いたオールドファンから、駅伝なんてこの時期しか見ないけれど、という新参者まで、誰もが一のタスキに集中し、手に汗を握る学生スポーツの極点のひとつだ。 誌でもお馴染みのスポーツライター生島淳にとって何と7冊目の箱根駅伝となるこちら。「箱根駅伝害毒論」からスタートしたその著作連は、監督に焦点を当てたもの、区間配置や戦略を語るものなどを経て、駅伝がまとう空気や人を語るものへと軽快に変化した。 「タスキ」や「小田原中継所」、「学連選抜」など、箱根駅伝に直接ひもづくコトバもあれば、「遺伝子」、「夫婦」など、なんのことだろう?と瞬時には判断のつかないコトバもあわせて40ワード。14枚という原稿量を決めたノックのように、多種多様な球が打ち出されてくる。さあ、どこからキャッチしよう? こちらは雑誌『Nu

    箱根駅伝の向こう側を知るコトバ。~生島淳・著『箱根駅伝コトバ学』~(幅允孝)
  • なぜFA加入投手は新天地で苦しむ?成功例・工藤公康に見る重大要素。(田口元義)

    広島で前田健太らとともに投手王国の一角を担った大竹寛。巨人への移籍については「地元の関東でプレーしたかった」とコメントしている。 先発投手不足は、毎年のようにあらゆるチームの泣き所である。 日一となった楽天ですら、年間通してローテーションを守ったのは田中将大と則昂大の2人のみ。巨大戦力を誇る巨人や、今季12球団で最も多い4人の2けた勝利を生んだ広島は例外と言える。 だからこそ、FA市場における先発投手の人気は常に高い。今年、FA権を行使した選手は4人。全員が複数年と、好待遇での移籍となった。 涌井秀章(西武/2億2000万円→ロッテ/2年合計4億4000万円+出来高) 大竹寛(広島/1億円→巨人/3年5億円) 久保康友(阪神/1億2000万円→DeNA/2年2億5000万円) 中田賢一(中日/7000万円→ソフトバンク/4年最高6億円+出来高) (※金額は全て推定) 彼らには実績や経験

    なぜFA加入投手は新天地で苦しむ?成功例・工藤公康に見る重大要素。(田口元義)
  • 強烈な重圧を超えてつかんだ、女子カーリングの五輪切符。~最終予選を突破した渾身の一投~(松原孝臣)

    試合が終わった瞬間、崩れるようにしゃがみこんだ。その姿に、背負っていたものの大きさがうかがえるようだった。 12月10日から15日までドイツ・フュッセンで行なわれていたカーリングのソチ五輪世界最終予選の女子で、北海道銀行フォルティウスが見事、出場権を獲得した。 フォルティウスは1次リーグでは最後の中国に敗れたものの、5勝1敗で2位となり、上位3チームによる決定戦へと進んだ。1位の中国と対戦したが再び敗れ、3位のノルウェー戦に臨むことになった。中国がまず切符を手にし、残り1枠をかけての争いである。スキップ小笠原歩にかかるプレッシャーは大きかっただろう。だがそれだけではなかった。 こちらは雑誌『Number』の掲載記事です。 NumberWeb有料会員になると続きをお読みいただけます。 残り: 585文字 NumberWeb有料会員(月額330円[税込])は、この記事だけでなく NumberW

    強烈な重圧を超えてつかんだ、女子カーリングの五輪切符。~最終予選を突破した渾身の一投~(松原孝臣)