身長144cmの小さな身体に、か細い声、おっとりした話し方。宮原知子(さとこ)には、他人を押しのけてトップを目指す勝ち気なところはないが、何事も諦めない粘り強さがある。言葉では自分の主張をしない15歳の瞳にも、五輪代表への夢はしっかりと輝いている。 4歳のとき、アメリカでスケートを始めた。習い始めた時のジャンプは逆回転となる右回り。7歳で帰国してからは、濱田美栄コーチのもと他の日本選手と同じ左回りに変更した。 ジャンプ技術を身につける上で「遅れ」になる可能性もあったが、練習中にまったくお喋りもサボりもしない集中力で、あっというまに他の子供達に追いついた。 13歳で出場した'11年全日本ジュニアは「3回転ルッツ+3回転トウ」と「3回転フリップ+3回転トウ」の難しい連続ジャンプを成功させ、浅田真央のジュニア時代の記録を抜く172.17点で優勝を決めた。 教わったことは完全に習得するまで諦めない