【ロサンゼルス=中村将】米南西部アリゾナ州で23日、死刑執行の薬物注射に失敗し、死刑囚が苦しみながら死亡する事故があった。4月にも南部オクラホマ州で同様の事故があり、死刑をめぐる議論が再燃する可能性がある。 ロサンゼルス・タイムズによると、死亡したのは、1989年に元交際相手の女性とその父親を射殺したジョセフ・ルドルフウッド死刑囚(55)。23日午前1時50分ごろ、麻酔薬物を注射されたが、間もなく意識が戻り、2時間以上苦しみ続けて死亡した。死刑囚の弁護士が途中で執行の中断を求めたが、聞き入れられなかったという。当局は事故原因を調べる。 オクラホマ州の事故の際には死刑廃止派から「拷問を与えた」との批判があがり、死刑議論に火がついた。