香港映画と言えばジャッキー・チェンの頃から体を張るイメージが強いもの。しかし『疾風スプリンター』ほど体を張っている映画も珍しい。本作はロードレース、つまり自転車を題材にしたスポーツ映画だが、その撮影は下手な格闘アクションより危険なものだったらしい。事実、スタッフ・キャストに80人を超えるケガ人が出たと言うし、エンドロールでは転倒して血まみれになっている人や、救急車で運ばれていく人など、メイキングと言うには物騒すぎる衝撃映像が挿入されている。端的に言ってやり過ぎだが、その過剰さこそが本作を非凡なものにしている。そして、この香港映画界でも稀に見る過剰さこそ、監督であるダンテ・ラムの持ち味だ。 「私の映画に出る役者には、登場人物同様、苦しんでもらうよ」そう言い切るダンテ監督は、これまでもハードなアクション/スポーツ映画で名を馳せてきた。全編通して息が詰まるようなサスペンス『ビースト・ストーカー/
昨年大ヒットした『シン・ゴジラ』と『この世界の片隅に』は、前者は放射能汚染からの楽観的復興、後者は戦争と原爆を加害者意識ではなく、災害として過ごし戦後を迎え復興を始める映画として、私は見ていて、徹底的に批判しているが、賛同者は少ない。 前者の官僚エリートからの災害管理の眼差しは目新しいが、日本社会が官僚エリートにしか支え切れぬものと居直って描かれた感しかない。 後者は、主人公が見合い結婚する女性で、さらに暮らしより絵にこだわりを持つ独自のペースの人、つまりマイノリティであるにも関わらず、主人公のつまずきは、すべて主人公の鈍臭さに帰責されほのぼの笑われるという多数派視点が鼻につかざるをえなかった。 復興を楽観的に描くのが嫌だとか、マイノリティや女性に対するしっかりした描写を求める点、私の見方は、厳しすぎると言われるかもしれない。 しかし戦後復興をその負の側面、見失ったものまで、見透さないかぎ
01/13 17/01/13 追記 SNS等にて当ブログをご紹介下さり、まことにありがとうございます。 勘違いされている方が居らっしゃるようなので明言させて頂きますが、 私の夫は当該ゲーム開発チームの一スタッフにすぎません。 また、当記事は本文中にネタバレを含みますのでご留意下さい。 01/12 序) 「自殺するならこういう時なのかもしれない」 「自殺するならこういう時なのかもしれない」 長年とあるゲームの開発に従事した旦那が、晴れてタイトルリリースを迎えたその日、突然そう言った。 ひとつの仕事を成し遂げ、尊敬できる仲間や愛すべき家族がおり、今の自分には何の不安も恐れもない。 燃え尽き症候群じゃないけれど、心が小気味よく凪いでいて、自殺するとしたら、こんな時なのかもしれない。 自分にはこれしかないと身一つで業界に飛び込んだ、単なるゲームバカ。 「俺は死ぬまでエンタテイナーでありたい」と、空
リリース、障害情報などのサービスのお知らせ
最新の人気エントリーの配信
j次のブックマーク
k前のブックマーク
lあとで読む
eコメント一覧を開く
oページを開く