長谷川幸洋 第2回 「ニュースの思考法」 生資料こそが宝の山! 公開資料の徹底分析が復興予算流用問題を暴いた! ジャーナリストも国会議員も元データをチェックしていない 復興予算の流用問題を『週刊ポスト』でスクープした福場ひとみ記者の話を続けよう。第1回は福場がインターネットで復興予算について検索し、そこで得た情報を基に霞が関の役所を取材した経緯を紹介した。福場はどう取材したのか。 福場が手がかりにした「東日本大震災復興特別会計歳入歳出予定額各目明細書」は全部で194ページもある大部の資料だ。それを眺めているうちに、福場はあることに気がついた。 あきらかに復興とは関係ないと思われる項目がいくつもあったのだ。たとえば大学である。東日本大震災復興教育研究経費などと、いかにも復興に関係ありそうな名目の支出に混じって施設整備費というのがある。これはいったい何か。 それも被災地の大学ではない。北海道か