イラスト:小野ほりでい これまで、大沢樹生・喜多嶋舞元夫妻の子供のDNA鑑定問題や、ドラマ『明日、ママがいない』(日本テレビ系)の養護施設問題から、「親子にとって血縁は重要か」ということについて考えてきた。「親子の血縁」に関しては、もう1つ「不妊治療」という問題がある。格闘家・高田延彦とタレント・向井亜紀夫妻、そして政治家・野田聖子のケースから、この問題を見ていこう。 1994年に高田と結婚した向井は、2000年に妊娠と同時に子宮頸がんが発覚したことで出産をあきらめて、子宮の全摘手術を受けた。「高田の優秀な遺伝子を残したい」と願った向井は、02年に代理母出産のためにアメリカへ渡る。日本では、代理母出産は原則的に禁止されているからだ(長野の諏訪マタニティークリニックでは、独自に手がけている)。 子宮は全摘していた向井だが、卵巣は残していたために自身の卵子(がんの放射線治療のため質が落ちていた