―中国共産党の下で資本主義がうまくいっているように見えるが? 加藤 中国はホンネとタテマエを使い分ける国だ。タテマエとしてはいまだ毛沢東路線だが、ホンネでは自分たちが共産主義とも社会主義とも思っていない。自分たちが世界一になれれば資本主義でも何でもいいと思っている。 二百年前、アヘン戦争以前の清朝時代、中国の国内総生産(GDP)は世界全体の三分の一を占めていたといわれる。経済も領土も、その時代の中国を取り戻すことが彼らのホンネなのだ。 中国共産党というのは血みどろの戦いを生き抜いてきた、世界に類を見ない強い党だ。そのトップも権力闘争に勝利した強者。党も人も強くなければ国もダメになると民衆も思っている。 支配党でなかった時代から、共産党には抜群の宣伝力があった。かつては「帝国主義勢力を追い出し人民を圧迫する封建的な地主から解放する」、今は「いずれ中国のGDPはアメリカを超える」という「夢」を