JR大阪駅から快速電車で約1時間、盆地の中にのどかな田園風景が広がる。冬支度を終えた農地では渡り鳥が翼を休め、その向こうに古民家が点在する。日本遺産の「丹波篠山デカンショ節」で知られる篠山市。市内を歩いていると、日本の原風景ともいえる景色が次々と目に飛び込んでくる。 市は1999年4月、篠山、今田、丹南、西紀の旧4町が合併して誕生した。平成の大合併で第1号となった自治体だ。それと同時に「合併バブル」に踊らされた街としても知られている。 市は合併当時、4万7,000人いた人口が6万人に増えると予測し、清掃工場の改築や斎場、温水プール付きの運動公園、時計塔を備えた図書館の建設など次々に箱物事業に手を出した。 図書館はもともと生涯学習センターを増築し、図書コーナーを設ける計画だった。それなのに、計画が膨れ上がり、豪華施設になってしまった。市をそんな気持ちにさせたのは、返済の7割を国が交付税で肩代
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