元裁判官の岡口基一氏が、今年度から司法試験予備校「伊藤塾」で講師を務める。 岡口氏といえば、裁判当事者への不適切なネット投稿を理由に、裁判官弾劾裁判所から4月3日に罷免判決を受けたばかり。過去には、自身のブリーフ姿をSNSに投稿したことが話題になるなど、「お騒がせ裁判官」のイメージも強い。 一方、法律関係者からは、弁護士らが活用する『要件事実マニュアル』など、多くの法律書を執筆したベストセラー作家として、法的素養が高く評価されており、「セカンドキャリア」が注目されていた。 岡口氏は弾劾裁判の本人尋問で、「現在の法曹育成はうまくいっていない」と述べ、育成への関心を示していた。どこに課題があるのか、くわしく聞いた。 (このインタビューは法曹養成に関する連載企画の一環として、岡口氏の罷免が決定する前に実施しました) ●実務家に必須「要件事実」の教育に不備 岡口氏によると、現在の法曹教育でもっとも