「エンジニア不足」は本当なのか? 他の職種に比べてもともと、ITエンジニアの雇用流動性は高い。しかしそれは、同じSIerやITベンダーのなかでの転職やユーザー企業の情報システム(情シス)部門への転職という文脈での話だ。ところが、近年、ITエンジニアの就職・転職事情が変わりつつある。 たとえば、政府が進める成長戦略の要点のひとつとされるサイバーセキュリティ。2020年東京オリンピック・パラリンピックの影響もあり、セキュリティエンジニアが8万人足りなくなる *1 という予測がある。この予測のなかでは、現状のエンジニアのうち16万人ほどが、セキュリティエンジニアとしてスキルを身につける必要があるとも述べている。セキュリティ特需のような状況だ。 加えて、IoT、AIという成長分野への取り組みも多くの業界で活発化し、製造業、金融業、医療、農業、福祉といった分野においてエンジニアが求められるようになっ