解説 上皮性卵巣癌の40%を占める漿液性癌は、短時間で進行がんになるため、検診は有効ではないといわれている。これをタイプ2卵巣癌と呼んでいる。一方、残りの40%を占める類内膜癌、明細胞癌は子宮内膜症からゆっくり癌化し、ほとんどがI期癌として発見され、タイプ1卵巣癌と呼ばれている。タイプ1は子宮内膜症からの発がんの可能性が指摘されており、今回は主にタイプ1について、臨床的な観点から解説する。産婦人科医としては、臨床的には以下の点に注意して経過観察することが望ましい。 奈良県立医科大学 小林 浩 プロフィール 奈良県立医科大学産婦人科学教授 福島県郡山市生まれ 婦人科腫瘍学(転移抑制、子宮内膜症性嚢胞の癌化、他多数) 周産期医学(切迫早産の予知と治療、新規デバイスの開発など) 母体保護法指定医、医学博士 基礎研究 【略歴】 昭和55年 浜松医科大学医学部医学科卒業 昭和62年 医学博士 平成元
市民の皆さまへ 子宮内膜症(卵巣がんとの関係について) 現在の女性は11-12歳で初経迎え、30歳代になって第1子を出産することが多く、子どもの数は平均して1-2人です。51歳頃で閉経し人生86歳の寿命を全うします。現代の女性が一生の間に経験する月経の回数は約450回になりますが、100年前は約50回でした。今の女性のほうが9倍も月経の回数が多いことになります。月経のたびに女性ホルモンであるエストロゲンが放出されます。このエストロゲンは、乳腺、子宮、卵巣に大切なホルモンで、女性を若々しくしますが、これが過剰に作用すると女性特有の病気をおこしてしまうのです。女性特有の病気とは、子宮内膜症、子宮筋腫、乳がん、子宮体がんなどのことです。 子宮内膜症という言葉は聞いたことがあると思いますが、女性10人に1人がかかるよくある病気です。子宮内膜症になる前にはかなり月経痛がひどくなることがわかっています
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