心の病についても、身体の病気と同様に、その人自身が置かれた環境の状況と、その人自身の感受性といった素質等の相互関係により、健康を保ったり、不健康な状況に陥ったりすることが生ずる。全く心の病にかかるリスクのないような人はおらず、置かれた環境次第で、どんな人にも心の病は生じ得る。生涯を通じれば5人に1人が精神疾患と診断され得るという調査結果(注)もある。 (注)厚生労働省「心の健康問題の正しい理解のための普及啓発検討会報告書」より コラム 精神疾患は誰でもかかりうる病気:精神疾患の発生要因の理解 精神疾患の発生については、病気になりやすいかどうかの「脆弱性(もろさ)」と病気の発症を促す「ストレス」の組合せによって示されるストレス脆弱性モデル(図表1)を使用すると理解しやすい。 モデルの横軸の「脆弱性」は、その人の病気へのなりやすさを示す。これには、その人の生まれ持った素質(先天的な要素)と学習