何年経っても忘れられない光景がある。 真っ暗な夜、吹雪の中転がっていく水色のテント。 泣きながら走って追いかけ、掴んだところで景色は変わった。 今度はプレハブのような小さな部屋の中 3台の自動販売機とベンチが2脚あり、自分はそのベンチに寝転んでいる。 ここは…… ・ ・ ・ ・ ・ 高木はるか、24歳の私は東京都内のとあるブラック企業に務めていた。 広告代理店とは名ばかりで、イベント運営にチラシ作り、ちょっとした文章の編集などなんでもござれの職場のオフィスは都内ど真ん中、場所は内緒だけど見た目だけは立派な高層ビルのワンフロア。 クライアントが「やれ」といえば夜中まで誤字脱字を探して校正をかけ、上司が「飲みに行くぞ」と言えば朝まで付き合い、ふらつく足どりで家賃6万円築30年のボロアパートへ帰り、泣きながら風呂に入って翌朝には出社をする毎日。 自分の様子がおかしいことにはとっくに気がついていた
はじめに。 私は冬の北海道へバイクで行くことに関して、決して人にオススメできるものではないと考えています。 むしろ「行きたい」という人に対しては、「もう一度考え直してみない?」とすら思う。 今回のツーリングでは自分なりに情報を入手してできる限りの準備をして行ったつもりですが、それでも現地では足りないものがでてきました。 冬の北海道という厳しい環境の中を生身の人間がバイクで走るという行為は、冗談ではなく、日常では考えられないぐらい身近に「死」があります。 北海道はあまりにも広い、寒い、そして人が少ない。 面白そうだからというだけでテキトウな準備で向かって死なれてしまっては取り返しがつかないんです。 今回運良く私は生きて帰ってくることができました。 完璧とは程遠い穴だらけの旅でしたが、何にも代え難い素晴らしい経験ができたと思っています。 せっかくなので、その土産話に付き合ってください。 という
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