その肩書は「スープ作家」。有賀薫さんは、大学受験をする息子さんのために作り始めた毎朝のスープがやがて職業となり、現在では著書も多数出版する。日々の暮らしを整え、食を豊かにするスープの魅力と、そこに込めた想いに迫る。 私が「スープ作家」になったのは50歳のときです。栄養満点のスープを食べると、それだけで心身が養われる。献立に悩むことなく、「とりあえずスープを作ろう」と思えば気持ちが楽になる。無限にバリエーションがあるから、毎日食べても飽きない。なにより私自身が、そんなスープの力に魅了されていたからです。 私は大学卒業後、すぐに玩具メーカーのバンダイに就職しました。ガンダムのプラモデルの部署だったので、初仕事はガンプラを組み立てること(笑)。もの作りが好きで入社しましたが、実際に手を動かす商品作りは、外部に委託されていました。それでバンダイを辞めて、経験もないのにフリーライターになったのです。
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